うつになるまで苦しんだ、そんなあなたの人生の悩みは、実は”思い込み”によるものかもしれません。
そんな思い込みに惑わされないために必要な心得を紹介します。
このブログは、うつを読書と食事で克服した私、読書セラピストTOMOの体験記と有用な情報を、余すことなく発信してくブログです。
読書から得た心得を人生の武器にして、うつに負けない人生を送りましょう!
目次
人はなぜ悩むのか?
アルバート・エリスというカリスマセラピストが考案した、論理療法という心理セラピーがあります。
「なぜ人は、悩むのか?」という疑問についてわかりやすく紐解かれます。
論理療法では、否定的な感情の背景には、理にかなっていない歪んだ思い込み(イラッショナルビリーフ)が存在すると考えます。
個人が抱いている歪んだ思い込み、これを論理療法ではイラッショナルビリーフと言うそうです。
あなたを苦しめているのは”事実”では無く”思い込み”だった!
ここで大事なのは、私たちは事実そのものによって悩んでいるわけでは、決してないということ。
例えば自分に能力が無くて思うように生きることが出来ないとします。
しかし、実はその人は能力が無いという事実に悩んでいるわけではありません。
能力があるかないかは、行動してみないと結果が出ないことだし、行動しない限りは誰もわからないことです。
たとえその道の偉い人に「あなたは能力がない」と言われたところで、能力があるかないかはわからないのです。
現に能力が無いと烙印を押されて社会的に成功を収めた人は、実はたくさんいます。
その人は能力が無いから苦しんでいるのではなく、能力が無いと思い込んでいるから苦しいのです。
自分が勝手に思い抱いている思い込み=イラッショナルビリーフによって苦しみ怯えているということです。
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カウンセリングの現場では
よく使われるカウンセリングの例を紹介します。
ある留年中の学生が「学校に行くと、授業中に自分以外のみんなが一斉に、こちらを見てくるのが辛いんです」といいます。
「僕のことを冷ややかな目で見てるんです」
しかし、そんな事実はどこにもありません。
そこで、カウンセラーは学生に宿題を出しました。
「今度教室にいったら、いったい何人の人が君のことを見ているか、数えてごらん」
すると、学生は次の日実際に自分を見ている人の人数を数えてみました。
結果はたった一人でした。その他の人は視線も合わせないことに気づきました。
彼は教室に入ると、いつも下を向いていたので、実際に何人の人が自分を見ていたのか分からなかったのです。
それにもかかわらず、クラスの全員が自分を見ていると思いこんでいたのです。
「思い込み」への仏教的な対応策
仏教的にも「思い込み」は苦しみの元です。
思い込みというのは仏教で言う「妄想」です。
仏教では「貪欲」「怒り」「妄想」というのは人を苦しめる3つ心の状態として扱われています。
まさに思い込みというのは、事実と違っていることを強く信じてしまうことで妄想そのものです。
そしてこの妄想とは、私たちの心を苦しませ、人を病気に追いやる犯人なのです。
私たちは捻じ曲げた記憶によって過去を判断し、今や未来の行動に移してしまうことがあります。
そして今現在私たちが抱えている悩み苦しみの中には、過去に原因があるものが少なくないのではないでしょうか?
しかし私たちが思い出して嫌な思いをする過去と言うのは、事実に基づいた記憶とは言えません。
主観的な立場でかなり着色されて思い出されています。
例えば昔母親と2人で図書館に行った時に、親に
「静かにしなさい!ここは図書館なんだから」
と、こっぴどく叱られたとします。
そのことを思い出してあなたは「お母さんはとても怖い存在」と思うことがあるかもしれません。
そしてそのことが30年たっても、お母さんに対して「すぐ怒る気が短い人だ」という判断をしているかもしれません。
しかし客観的な立場で考えた時に、この判断はどうなのでしょうか?
お母さんは図書館で騒いでいるあなたを見て、
「周りの人に迷惑をかける大人になってはいけない。そんな大人になったらこの子が不幸になる」
と言うあなたの幸せを願う気持ちから、つい大声で叱ってしまったのかもしれないのです。
しかし子供の記憶にとっては、そんなことは微塵も記録されません。
これは少し大げさな例えだったかもしれませんが、大方同じようなことが、いろんな人の記憶の中で起きています。
つまり誤った過去の記憶によってあなたが苦しめられている。
つまり妄想によってあなたが苦しめられていると言うことです。
「クラスのみんなに見られている気がして仕方がない」
という人はかなり妄想が強くなっております。
それについても歪められた過去の記憶が強烈にその人の脳の隅っこに存在しているのかもしれません。
脳というのは優れた臓器ですが、妄想という「でたらめな事実」を簡単に作り出してしまう少し困った臓器でもあります。
脳は見聞きした全ての情報を反応の記憶として落とし込んでいます。
見たもの聞いたもの経験したもの、本人は気づいていないことでさえ実は脳は反応を起こしております。
友達から「馬鹿」と言われて、脳が反応して「ふざけんな!てめえの方が馬鹿だ!」と言い返して、その後もその人を思い出して嫌な思いをする。わかりやすく言えば、これが脳の仕事です。
また、そればかりか記憶が融合しあって「身に覚えのない妄想」を作り出してしまうこともあります。
実は人は、その時々の心の状態、優越感や怒り、疲労などが働いて全てにおいて悪い解釈をすることがあります。
実際に心理学の実験でも、機嫌が良い人と、悪い人のグループを集めて、ある人物についての評価をさせたものがあります。
その結果として機嫌が良いグループとというのは人物評価の好ましい内容、つまり長所のみを多く取り上げる好意的な評価をしたのです。
しかし気分が悪くなっているグループは全く逆で、その人の良くない内容ばかりよく覚えていて最終的に「この人は嫌い」と言う判断をすることが多かったのです。
(参考元:ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術 (王様文庫 C 47-3))
つまりこの実験でわかったことは、
「物事の善し悪しとは、それを判断する人の精神状態によってあっさり変わってしまう」
ということです。
だから自分が苦しんでいる内容、それらはほとんど過去の誤った記憶に基づく妄想だと言うことを理解しましょう。
そして新しい大人の対応を見つけていきましょう。
仏教的な解決法として、代表的なのはまずは、
①妄想に気づくこと。
そしてその次に
②諸行無常と言うものを頭で理解すること、です。
過去が存在しない。これを仏教は「無常」によって説明します。
お釈迦様はこう言っています。
「私の指先に乗ったわずかなチリほどのものでも、無常ならざるものはない」
この世のものは全て、瞬間瞬間に変化しているのです。
これはいっててみれば、「いまあるもの」は瞬間瞬間に死に、新しいものへと生まれ変わっているということです。
引用:『執着しないこと』アルボムッレ・スマナサーラ
つまりあなたを苦しめた親や教師、友達と言うのはもうこの世には存在しません。
体としては生きていますがまったくの別人として理解しましょう。
つまり新しい友達に対しては新しい友達として対応する。
当然あなた自身も諸行無常、新しい自分に対しては新しい自分の対応の仕方をしていきましょう。
このように理解したら、もう思い込みに惑わされる事はありません。
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おわりに ~疑おう、とことん事実を疑おう~
私たちの、悩みや苦しみの大半は、自分の勝手な思い込み、つまりイラッショナルビリーフによって生み出されているのでな無いでしょうか?
もし今のあなたの悩みが全部思い込みだとしたら、あなたはどんな人生を歩みたいですか?
疑ってください。
あなたのその悩み、脳にこびりついたその悩みは”思い込みじゃないか?”って。
読んでいただきありがとうございました。
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