死と向き合うことで人生が変わる。
死と向き合うことは、大切です。
「死が無ければ人は悩むことは無い」それくらい、「死」は誰にとっても人生最大の課題です。
仏教の教えとしても有名ですが、前向きな意味で死を受け入れることは、人生を良くするうえでとても大切な事。
小林麻央さんに限らず「死」は、誰しも平等に訪れます。変えられない運命です。
変えられない運命に対して、どのように向き合うのか?どのような態度をとるのか?
その態度とは人として最も大切な事を兼ね備えているのだと私は思います。
そんな”人としての価値”は、誰にも奪うことはできません。
一年たっても思うことですが、
どんなに恐ろしい病でも小林麻央さんから、その価値(態度価値)を奪うことはできませんでした。
この生き方は、殺伐とした社会生活の中で疲労したり、絶望している人々に多くの勇気を与えてくれました。
”生き方の見本”を教えてくれました。
目次
はじめに ~死と向き合うこと~
小林麻央さんはがんと診断されて、人生がいい意味でも悪い意味でも変わりました。
今回は死と向き合うこと、死を意識することについて触れていきたいと思います。
死を意識することで、あなたの人生は変わります。
そして新たな”生き様”を手にすることが出来ます。
小林麻央さんの乳がん
昨年の6月に小林麻央さんが乳がんであることが、報道で世に知れ渡りました。
私も含め日本中を震撼した出来事と言えるでしょう。
あの美人の小林麻央さんが、
あの幸せそうな小林麻央さんが、
あの子供が2人いる小林麻央さんが、
あのから騒ぎに出てた小林麻央さんが、
そんなことが頭をめぐり、人の人生のわからなさ、命のはかなさ、病の恐ろしさを意識するようになりました。
ブログやインタビューから見えた強靭な人間力
そして、小林麻央さんはブログKOKOROを開設して、精力的に病気の経緯や日常の様子を更新し、
年明けに放送された『市川海老蔵にこざりまする』ではインタビューに答えていました。
その中で、
夫である海老蔵さんに「ずっと支え合うんだよ」と言われて大変励まされたこと。
そして、
「誰かと共有しきれない苦しみとか、悲しみとかを経験したことで、主人の考え方、心の持ち方を想像できるようになった」
と夫の海老蔵さんに対しての思いや感謝の気持ちを語っていました。
”誰かと共有しきれない苦しみとか悲しみ”
これはうつ病経験者は、誰もが共感できる言葉ではないでしょうか?
うつの苦しみは、同じうつ患者にはある程度共感できる部分がありますが、
共有しきれるかと言えば、なかなかむつかしいでしょう。
一見華やかな生活を送っている海老蔵さん、そして小林麻央さん夫妻も、共有しきれない苦しみ、悲しみ、やりきれない思いを抱えていたことは、容易に想像できます。
そしてインタビューの最後に、
「役者、市川海老蔵をパートナーとして支えるチャンスを神様ください。といつも思う」と時折涙を交えて語っていました。
とても印象的で、私ももらい泣きしてしました。
自分が極限の状態で、
周りに対しての感謝の気持ちを述べることや、
自分の人生は今のパートナーと一緒にいることが出来て本当に良かったということを口にできるのは、なかなか出来ることではないです。
まして、体力が削られていく中でブログを更新することなんて、ほとんどの人が不可能でしょう。
死を目前にしたら、ブログやインタビューなんかまともにできないし、周囲に対して恨み節しか出てこない人もいるでしょう。
そんな人が特別弱い人間だと言うつもりは、まったくありません。
私自身、本当に死を前にしたら、感謝の気持ちを実際に口にできるか、自信がありません。
ましてや若い時分に突然がんと宣告されて、いくら周囲に親切にされても、頭ではわかっていても、”感謝”とか”自分の人生は良かった”とか言葉にできる自信はありません。
海老蔵さんも言っていましたが、いま改めて思います。
小林麻央さんは、私が想像するよりずっと人間力の高い人、
強い人だなあ。って本当に思います。
小林麻央はなぜブログを発信し続けたのか?そのたった1つの理由
麻央さんは2016年9月1日よりブログを開始しました。
>>KOKORO小林麻央のオフィシャルブログ 「なりたい自分になる」
その初回のブログで麻央さんはこう語っています。
私は、
力強く人生を歩んだ女性でありたいから
子供たちにとって強い母でありたいからブログという手段で
陰に隠れているそんな自分とお別れしようと決めました。こんな自分勝手な情けない理由でごめんなさい。
でも、一度きりの人生なので、
なりたい自分になろうと決意できたことは
うれしいです。
KOKORO小林麻央のオフィシャルブログ「なりたい自分になる」 より引用(改行は筆者による)
麻央さんは、生きるか死ぬかの病気にかかり、
「一度きりの人生」
「なりたい自分になる」
そんなことを意識できたのでしょう。
そして、この後にこう綴っています。
癌になってから1年以上が経ち、
いつものようには身体が動かなくなった時元気いっぱいの娘や息子を前に
途方に暮れる思いでした。子供に、
「いつも一緒にいられなくてごめんね。何にもしてあげられなくてごめんね。」と胸を痛めてるママがいたら、あなただけでなく、私も同じです
と伝えたいです。KOKORO小林麻央のオフィシャルブログ「なりたい自分になる」 より引用(改行は筆者による)
死と向き合うこと
でもそんな思いと向き合って、今はこれまで以上に後悔しない生き方、
”自分のための人生”を生きています。
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小林麻央は”心に従わない理由はない”を知っていた
今世紀最後のカリスマ、アップル創始者スティーブ・ジョブズがある大学で学生たちに語ったスピーチです。
私は17歳の時に、こんな言葉に出会った。
「毎日人生最後の1日だと思って生きていこう。
そうすればいつの日か必ず間違いのない道を選んでいることだろう。
やがて必ずその日がやってくるから」
それはとても印象に残る言葉で、その日を境に33年間、私は毎朝、鏡に映る自分に問いかけることを日課にした。
「もし今日が最後日だとしても、今からやろうとしていることをするだろうか?」と。
「違う」と言う答えが何日も続くようなら生き方を見直すことです。
生きる力を引き出すコラム より引用
ジョブズは常日頃から「心に従わない理由はない」と言います。
心に従わずに、やりたいことを我慢する、やりたくないことをやり続ける。
ジョブズが、そんな「心に従わない生き方」をしていたら、
今頃スマートフォンなど、存在しなかったでしょう。
世の中の音楽もダウンロードではなく、全てCDを再生して聞いていたでしょう。
麻央さんもきっと心に従った結果、ブログを開設して情報発信の道を選んだのでしょう。
死と向き合って、幸せに死んでいく人とは
「死ぬときに安らかに死んでいく人と、後悔しながら苦しんで死んでいく人は、
いったいどのような違いがあるのでしょうか?」
この質問に対し、末期がんの治療に取り組む、ホリスティック医療の専門家である帯津良一先生は、こう答えました。
自分の人生でやり残したことがあるかどうかです。
やりたいことをやり切ったと思える人は、深い安堵感を抱え、いい表情で安らかに死を迎えることが出来ます。
逆に人生に悔いを残している人は、死の間際になって、ああこれをすればよかった、あれをすればよかった。これもしておけばよかった、あれはやめておけばよかったとつぶやきを発します。
「嫌われても折れない自分を作る100の言葉」 諸富祥彦 著 より引用
自分の人生にやり残したことが無いと思える人、全てやりつくしたと心から思える人は、安らかな死を迎えることが出来るということです。
「明日死ぬ者のように生きよ」
これは、アメリカの哲学者、ポール・ティリッヒが発した有名な名言です。
幸せに死ぬためには、後悔しないためにとにかく行動すること。
批判されようが、馬鹿にされようが、哀れに思われようが、
なりふり構わず行動する。
その行動に、”やりたいこと”に加えて”使命感”が加わると、これはもう最強です。
後悔しない生き様5箇条
・今日が人生最後の日かもしれないと思って生きる
この思いがあれば、一瞬一瞬を心を込めて生きることが出来ます。
無駄な迷いがなくなり正しい選択ができるでしょう。
・いつかしたいと思っていることは、すぐに取り組む
「いつかできる、今は我慢の時」そんな思いは幻想です。
いつか突然できなくなる日が来るかもしれません。
一度きりの人生、やりたいことがはっきりしているなら、心に従わない理由はないです。
・したくない仕事はしない。退職も辞さない
人生で一番無駄な時間。それはやりたくない仕事に、かけがえのない時間を費やして心を消耗すること。
たとえ収入が減っても心の充実を優先するべきです。
・無目的に貯金はしない
”貯金は大事”そんな常識を疑いましょう。
将来の不安を消すためにいくら貯金をしても、不安が消えることはありません。
真の豊かさとは、貯金の額の多さではなく、大切なお金を魂が喜ぶことに上手に使う方法を知っていることです。
・人生のミッションを持つ
人間誰もがミッションを持っています。
ミッションとはその人に課せられた暗黙の使命です。
あなたは人生に生きる意味を問われている存在です。その人生からの問いかけに答え続けることが、あなたの使命です。
あなたは何をすることで答えますか?
気が向かないことをやり続けますか?やりたいことを我慢し続けますか?
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おわりに
魂のミッションを果たす
麻央さんの生きる力の強さに感銘し、この記事を書きました。
死の恐怖の怯える極限の状態で、ブログを更新し、テレビ出演できたのは、何より人を救いたいこと、救うことで自分も救われる。
そして自分の魂のミッションを果たすことで、人生に悔いを残したくない。
その一心からきている行動でしょう。
それが出来るのは、小林麻央さんが自分の”死”をありありと意識する機会があったからでしょう。
負の出来事を前向きなエネルギーに変えて、世の中に貢献している麻央さんに敬服いたします。
最後に、
最初のほうのKOKOROの記事で、まさに共感できる記事がありますので載せておきます。
>>KOKORO小林麻央のオフィシャルブログ 「ありがとうございます」
私はまだ、病気が教えてくれた、病気になってよかったと言えるような境地まで辿り着いていません。できるならば、なりたくなかった。でも、人の優しさに救われたり、誰かの苦しさを心から理解できるとき、病気の自分もまるごと愛せる瞬間があります。KOKORO小林麻央のオフィシャルブログ「ありがとうございます」より引用(改行は筆者による)
”自分も病気も愛せる瞬間”
病気になりたくなかったという等身大の自分を認めながら、
自分も病気も愛せる瞬間があることは、十分に立派な境地に達していると思います。
きっと沢山の人を癒せる人になれるでしょう。
これが彼女の生き様です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
追記:現に小林麻央さんのブログで励まされた人多数!!
乳がん患者 小林麻央のブログに「どれだけ励まされるか」 YAHOO!ニュース NEWSポストセブン
多くの乳がん患者さんが小林麻央さんのブログに励まされているようです。
辛い自分を隔さずにさらけ出して、「精神力まで痩せてない」「一生懸命食べる!」という人向きで力強いメッセージを発信しています。
「乳がんになって一番つらかったのは自分の体が変わっていくことでした。
~中略~
だから麻央さんが自分の姿を隠さずブログにアップして、つらいという素直な気持ちを吐露してくれることに、どれだけ励まされるか・・・」
一部抜粋引用:
心無いごく一部の人からは麻央さんのブログは誹謗中傷を受けていますが、誹謗中傷するような人は癌とは無縁の生活を送ってきたのでしょう。人生経験が豊かでないのです。
そんな人たちに負けずに。麻央さんは今自分にできる社会貢献をただ人すら行っています。
この姿こそ、ヴィクトール・フランクルの言う”態度価値”なのでしょう。それはどんなにひどい状況に置かれても誰も奪うことのできない”生きる価値”なのです。
追記2:小林麻央さんの最後のブログに記された態度価値
6月22日、小林麻央さんは自宅で永眠されました。
私も仕事の休憩中にその知らせを聞いて驚きました。
何となく予感はしていましたが、いざ人が亡くなると何とも言えないやるせなさと、
人生の儚さを感じます。
亡くなる2日前の早朝にブログが投稿されて、それが最後のメッセージとなりました。
そのブログの文章を読んでいると、癌は麻央さんから大切な命を奪いましたが、
麻央さんが生きてきた価値、そして人にとって最も重要な生きる価値までは奪うことが出来なかったことがよくわかります。
今、口内炎の痛さより、オレンジの甘酸っぱさが勝る最高の美味しさ!
朝から 笑顔になれます。
皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように。
#小林麻央
死を目前に、苦痛に嘆くのではなく、絞ってもらったオレンジジュースの美味しさに感謝すること。
そして笑顔を絶やさないこと。
また、それだけにとどまらず、自分や家族以外の人の笑顔を祈ること。
無条件で幸せを祈ること。
この気持ちだけは、どんな病気でもどんな災害にあっても、それを持っている人から奪うことのできない価値です。
それが態度価値。
態度価値とは:
人間が運命を受け止める態度によって実現される価値である。
病や貧困やその他様々な苦痛の前で活動の自由(創造価値)を奪われ、
楽しみ(体験価値)が奪われたとしても、その運命を受け止める態度を決める自由が人間に残されている。
引用:Wikipediaより
フランクルが提唱するように人間が最後まで実現しうる価値は態度価値であり、最も重視すべき”生きる価値”であると私は考えております。
私は現代において本当にこの価値を実現できる人はいるのか?と疑念を抱いている部分はありましたが、小林麻央さんのブログを見て、そして生き様を見てなんとも言葉にできない気持ちになりました。
麻央さん、闘病本当にお疲れさまでした。
あなたの生きた価値はとてつもないものです。
たくさんの感動をありがとうございました。
安らかにお眠りください。
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