【大島真寿美】女性におすすめ!こんなふうに生きたいと思える小説3冊!

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強く生きたい女性におすすめ小説。

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目次

はじめに

今回は、強く生きたい女性におすすめ、大島真寿美さんの作品を紹介します。

”高校生の時にはじめて読んだ「ピエタ」の感動は大人になった今も忘れられない”

という人も多いのではないでしょうか?

決して特別な話ではないけれど、こんなふうに人生をおくれたら、と思えるような大島真寿美さんの小説を3冊紹介していきます。

すべて女性が主人公なので、ぜひこれから色々な経験をしていく女の子に読んでほしい物語です。

これが大島真寿美おすすめ小説3冊!

①『やがて目覚めない朝が来る』

主人公の有加は、両親の離婚をきっかけに祖母の蕗(ふき)さんの家に母親と一緒に引っ越します。

この蕗さんですが、実は母の親ではなく父の親、母にとって蕗さんは血のつながらない他人です。

しかし、母も蕗さんもあっけらかんとしていて3人のくらしはとても穏やかなものです。

昔は大物舞台女優として活躍していた蕗さんの家には様々な人が訪れます。

個性的な人々の中で穏やかに愛され、有加は成長していきます。

有加の成長とともに周りの大人たちも年をとり目覚めない朝を迎えていくというのが大まかなストーリーです。

どんな人にもやがて目覚めない朝がくるというのがこの物語のテーマになっています。

有加の周りの大人たちは個性的で温かく彼女を見守ってくれています。

しかし、穏やかに見える大人たちも過去には様々な苦い経験をしてきています。

どんな道を歩いてきても人が最後に行きつくのは目覚めない朝ですが、それがどんな朝かはその人がどんな道を歩いたかによって変わります。

有加は成長していくなかで、様々な大人の死を見送ります。

物語の中で死を大げさに悲しんだり、尊く扱ったりすることはありません。

淡々と描かれ、人が死ぬことはあたりまえのことであるということを教えてくれます。

自分にもこれから訪れる大切な人の死を有加のように、自然に受け入れられる時が来るといいなと感じることができました。

私が印象に残っているのは蕗さんの友人・ミラさんの言葉です。

ミラさんのセリフだけでなく、失敗した経験がある人なら、深く考えさせられる言葉がたくさん詰まっています。

有加の視点で書かれているので周りの大人たちの人生にどんな出来事がおこったのか、詳細には書かれていません。

有加が想像するように、読者もミラさんや蕗さん、そのほかの登場人物の人生に思いをはせることができるのもこの物語の魅力です。

有加にも大きな失敗が訪れますが、それを受け入れて日々を生きています。

人生はいいことばかりじゃないけれど、こんな人生いやだって思うこともあるかもしれないけれど、

それも含めて自分の人生だったと死ぬ前に思える生き方をしたいと思わせてくれる1冊です。

②『あなたの本当の人生は』

新人作家・國崎真実、人気ファンタジー作家・森和木ホリー、その秘書・宇城圭子、書くことに捉われた3人の女性が物語の中心です。

視点を変えてそれぞれの女性が人生を選択し、進んでいく様子が描かれています。

國崎真実が弟子入りするシーンも、宇城さんを秘書として雇うシーンもまるでホリー先生はその後の展開をすべてわかっているかのような不思議な存在です。

預言者のように「あなたの本当の人生は」とつぶやき、結局その通りに物語は進んでいきます。

最初はホリー先生の言葉に影響され、無意識にその道をたどっているのかと思いきや、読み進めていくとホリー先生には未来をみる能力が本当にあるという確信に変わっていきます。

視点がころころ変わり、ホリー先生視点の時はファンタジーっぽさが強くでるので、物語に入っていくには時間がかかるかもしれません。

また、女性3人の物語ですが、男性陣もいいアクセントになっています。

3人と1番関わりが深いのが編集・鏡味さんです。

読んでいてさらっと描かれていたんですが、宇城さんと鏡味さんの大人な関係にドキドキしました。

大人になった今は特別なことではなくこうした関係の人たちもいるよなー、ぐらいにとらえることができますが、まだ高校生だった私には物語とのギャップに戸惑ってしまいました。

私がこの物語を読んで感じたのは、男性は女性の人生にアクセントを与える存在だけど、女性の人生そのものにはならないということでした。

昔と違い、今、女性は女性らしく、自立して生きることができる時代です。

國崎真実は、作家ではなくコロッケを揚げる人生を選び、ホリー先生は妻である人生より、作家である人生を選びます。

どちらも男性の影がありますが、それはアクセントにすぎません。どんな人生も自分自身の選択の積み重ねで成り立っています。

きっとどんな人生を歩んでも「あなたの本当の人生は」というホリー先生の声と「私の本当の人生は」と自問する自分の声が聞こえるのではないかと思う1冊でした。

③『ピエタ』

水の都ヴェネツィアを舞台に、作曲家ヴィバルディの教え子エミーリアを中心に物語は進んでいきます。

ピエタ慈善院では、孤児の少女たちを養育しています。エミーリアもその中の1人でした。作曲家ヴィバルディは、彼女たちの音楽の先生です。

エミーリアの視点で少女時代の回顧、晩年に至るまでが描かれています。外国が舞台なので場所も人名もカタカナで、読む前に身構えてしまうかもしれませんがとても読みやすい作品です。

外国の雰囲気も感じることができますし、穏やかに進む物語にはしっかりと山場もあります。

私が好きなシーンは、エミーリアが自分の出生を知ろうと仮面を付けてカーニバルに参加した夜の話です。

そこでエミーリアは顔も名前も知ない相手と恋に落ち、短い青春を体験します。

そのシーンがとてもロマンチックで、最後までその相手が誰だったかはっきりしないのも切ないけれど、エミーリアの輝いていた記憶であることは間違いないと確信がもてます。

捨て子という厳しい現実は孤独を感じざるを得ないけれど、ピエタの少女たちは様々な人と繋がり、音楽とともに人生を歩いていきます。

それは私にとってとても豊かな人生に見えました。この物語の少女たちの孤独は優しく包まれていてヴィバルディ先生の言うようにみんなよりよく生きています。

読み終わった後に、私の人生は、ということを考えさせてくれる1冊です。

女性の人生を考えさせてくれる作品で人生を変える!

今回紹介した小説はすべて女性が主人公です。

少し前は、女性は結婚して出産・子育てを行うのが幸せな人生だと考えられていました。

しかし、現代は、それだけが女性の幸せではないと多くの女性が社会に出て自分らしく活躍しています。

自分らしい豊かな人生とはなんなのか?ということを私に考えさせてくれた作品を紹介していきました。

興味がある方はぜひ読んでみてください。

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