心理カウンセラー中越裕史先生の『天職の見つけ方』を読んで私なりに印象に残ったことを6つにまとめました。
目次
この著書『天職の見つけ方』は次のような方にオススメ
おすすめの人↓
・「あまり気が進まないけど、安定しているから公務員目指すかぁ」と考えている人
・今の仕事が辛くて病気になりそうな人
(もしくは病気になっちゃった人)
・好きな仕事につきたいが、そもそも自分のしたいことがわからない人
・やりたい事は明確に見つかっているけど、生活水準を下げるのが怖くて一歩踏み出せない人
・「何のために生まれてきたのか?」と考えている人
以上のことが当てはまる人は、この本を読むことを強くおすすめします。
読むことで、その悩みが解決するわけではないのですが、頭の中がきれいに整理されます。
人間は思考が整理されると、自分で悩みを解決する力、向き合う勇気が不思議と湧いてくるもの。
この記事では、私が印象に残った6つのポイントを簡単に紹介します。
著書のごく一部を抜粋しました。
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私的天職の見つけ方の6つのポイント
①「昔は良かった」という幻想に気づく
今自分が幸せに働けないのは、時代のせいだと考えている人は多いと思います。
私も中越先生と同じロスジェネ世代。
ちょうど小学生4年くらいの時にバブルがはじけ、そこからずっと不景気が続いてます。
いってみれば人生の半分以上不景気。
じゃあ昔の世代は良かったのか?と言われてみたらどうだろう。
私の父親はいわゆる団塊世代。
じゃあ労働人口の多いその世代は良い時代を生きたか?と言われてみれば、甚だ疑問です。
私の父親は四大財閥と言われていた大企業に勤めており、バリバリ仕事をしていました。
夜の8時9時まで残業をし、日曜日まで働いていました。
週休2日が基本の今と比べると、圧倒的に労働時間が長いです。
ただ今と違ってサービス残業は基本はなかったようです。
だからといってうちの父親が安心しながらその大企業に勤めていたか?
そうではありませんでした。
バブルがはじける前から、常に父は健康のこと将来のお金のことは心配していました。
だから私たち子供(私には兄がいます)に対しては非常にうるさく「勉強しろ」「言うこと聞かないなら出ていけ」としかりつけます。
そんな父親が40代の時にバブルがはじけ、関連会社に左遷させられました。
ちなみに父は部長クラスの役職でしたから、今考えると想像を絶する悔しさだったでしょう。
60歳まで働いて、定年を迎えたと思った矢先に脳梗塞が発症し、今は左半身麻痺の生活をしています。
そう思えば、父親にとってバブルのあの時代は幸せで安定した社会人生活だったのか?
と言えば決してそうでは無いように思います。
じゃあそれ以前の世代はどうだったか?
私の父親のさらに親の世代になると戦争があったし、
私たちより後の世代では生まれた時から不景気が当たり前。
「正社員になることが夢」だなんて悲しい目標を立てている世代です。
でもこの世代になると、
「どうせ出世しても幸せになれるとは限らない」
「出世して収入が増えたら確実に自由が奪われる」
「自由が奪われたら絶対死ぬ間際に後悔するだろう」
という感じで、なんとなく悟った人もチラホラといるような気がします。
著書にも書かれているように
「昔はよかった」
なんて言葉は幻想だし、
“時代が悪いから天職が見つけられない”
という思い込みに気づくことが、天職の見つけ方として大切だと思います。
②「安定=幸せ」ではないことに気づく
著書にも書かれていますが、今まで日本で安定していた時代、
安定した職業だなんていうのは実は一度も存在しないのです。
公務員や大企業は安定していると思われがちですが、著者のカウンセリングでは公務員や、大企業のサラリーマンまた看護師等の安定した職業の方も多く相談に訪れているそうです。
天職の探し方として、安定する職業など存在しない。
そして安定していると言われる職業も実はうちの父のように立場が揺らぐことだってあるし、むしろ精神的に不安定なことも多い。
酔っぱらって家で叫んで、でんぐり返しして窓ガラス割っていた父が懐かしいです。
ストレスMAXだったんだなぁ、、。
つまり「安定=幸せ」ではないことに気づくことが、天職の見つけ方として大切だと思います。
③死ぬ前にやり残したことをやる
天職の見つけ方として大切なこと。
それはやり残した行為に気づくこと。
未完の行為をやることは私にとって大事な中越先生からのアドバイスです。
今の仕事が辛いと思い、自分にとっての天職を探しているとき、
迷いますよね?
何やればいいのか??って。
私の場合、迷ったら明日自分が死ぬと仮定して、さぁこれからどうするかと考えます。
その時に何に後悔するか?
すると本当にやりたいことのヒントが少しだけ見えてきます。
著者の中越先生も、本の中で大学時代に心理学の勉強を断念した事をやり残した行為として取り上げてます。
そしてその”未完の行為”を見て見ぬふりして、あがいていない人は天職を見つけられないと指摘されています。
考えてみれば、本当にやりたいことを我慢し続けることが日本人の美徳だと思って、何もやらずに人生を終わるのは悲しすぎる。
多少批判されようが、周りから馬鹿にされようが、
本当にやりたいことを我慢せずにやってしまう方が死に際に後悔しないはずです。
だって明日死ぬことだってあり得ることです。
④何を差し置いてもオリジン型の人間を目指すこと
オリジン型の人間とは、心理学用語で自分で意思決定して動くタイプのこと。
それに対してポーン型の人間とは、指示通りに動くこと、要するに指示待ち人間です。
私はこのくだりを読んでいるときに、とても耳が痛かったです。
やりたい仕事をする、
やりたくない事はなるべくしない、
そんな生き方をしようと思いつつも、そもそも自分で考えて行動することが苦手な性分です。
10年以上サラリーマンを続けていると、ルールに反したことができないし、
そもそもやりたいことを我慢することに慣れてしまい、通り一辺倒の考えしかできなくなります。
我ながら思考停止状態です。
今まで指示待ち人間だった人が、
「自由に行動していいですよ、そのかわり利益出してね」
って言われたら、やはりみんな困りますよね。
不自由が辛いと言いながら、不自由でかわいそうな自分に依存している自分が痛々しい。
しかし天職を見つけるからには、指示待ち人間では絶対に無理です。
自分のやりたい仕事を見つけるのに、意思決定が不自由なままでは天職なんてまず見つかりません。
この辺は著書の中でもしっかり後押ししてくれます。
でもオリジン型の人間に急になれるものではありません。
私の場合自分で考えて自分で行動することが、情けないことに超絶苦手です。
だからまずはオリジン型の人間を真似したり、なりきってみる事にしました。
オリジン型の人間になりきることで、他人の目を気にしないこと、
失敗したときに過度に反省しすぎない自分に気づくことがあります。
そういうところ気にしてたら、オリジン型の人間にはなれないことにも気が付きました。
そして失敗したときに絶対に人のせいにしないこと。
自分で決めて自分で行動する人間が、
失敗した時だけ人に責任を転嫁するのは、かなり質の悪い人間の思考ですよね。
そう考えると天職を見つけることは守られた環境に慣れた人には茨の道。
でも何を差し置いても、天職の見つけ方として大切な事はオリジン型の人間になること。
⑤やり始められない理由を克服すること
やりたいことがなんとなくわかっているのに、なんだか面倒で始められない。
それに対する解決策が、この著書には明確に書かれています。
勘違いしてはいけないのが、
「やりたいことがあるのに行動にうつせないのは、本当はやりたくないのでは?」
と疑ってしまうこと。
自分が疑うことによって、ますます行動力は奪い取られていきます。
大前提として「天職を身につけるからには人よりすごい結果を出さなければいけない」
という思い込みがあると、プレッシャーに負けてしまいなかなか行動できないものです。
まずはその行動のハードルを下げることが大切。
1日5分の小さな行動を積み重ねること。
毎日できる事を見つけること。
この考えは私の人生に大きな変化をもたらしてくれました。
1日1分だろうが5分だろうが毎日続ける。それを長期間やると確実に自己肯定感は向上するような気がします。
自己肯定感が向上すると、いろんなことに挑戦しようという思いに後押しをかけてくれます。
⑥好きな事は自分で選べない
天職の見つけ方として、この本を読んで最も大切だなぁと思ったこと。
それは天職は自分では選べないという事実。
矛盾とも思えるような究極の真実です。
でもこれ矛盾しているようで、全然矛盾はしてません。
私たちが生まれつき好きなもの、生まれつき興味があるもの、
やってみたい事は、
それすなわち人生の問いかけかもしれません。
オーストリアの精神科医V.Eフランクルは生きる意味を考えることはそもそもの間違いで、
生きる意味とは人生から問われているもの。
そして私たちは問いかけに明確に答えることが大切だと著書『夜と霧』の中で言っています。
まさに生きる意味に対する究極の回答です。
世の中にはこの考え方を否定したり、馬鹿にしたりする人もいます。
「人生の意味?そんなこと考えてる時点で病んでるよね(笑)」
っておちょくってくる人もいます。
そういう人はよほど悩んだ事がないか、世間と真剣に関わってない人でしょう。
なりふり構わず、自分の好きなこと、自分が生まれてきた意味について考える。
そういうことと真剣に向き合う事は何が恥ずかしいのでしょうか?
いや恥ずかしいどころか、それをやらないと遅かれ早かれ心が病んでいきます。
多くの人は、自分のやりたいこと、好きなことから目を背けて、
お金のためだと割り切って好きでもない仕事を粛々とこなす毎日を選んでいます。
そういう生き方を否定する気は全くありませんし、私も以前はそれが健全な日本人のあるべき姿だと思っていました。
だがある時人生の嘘に気づくことができ、なりふり構わず未完の行為に専念することで、人生が充実していたのです。
「天職」は英語で書いて「calling」。
また「calling」の別訳は「使命」です。
つまり「天職」は「使命」です。
私にとっての使命であるし、
みんなにとっての使命。
使命が自分では選べないのと同じで、天職は自分で選ぶ事はできないなぁと、確かに思います。
なりふり構わず、自分の好きなことと向き合うことが、自分の人生の責任を果たすこと。
中越先生の著書を読むことで、いかに無味乾燥した毎日を過ごすことがもったいないか気づけると思います。
少なくとも私はそうでした。
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