DVのトラウマはこうやって克服した!
DVを受けて不安障害からうつになり、克服したある女性の体験談を紹介します。
目次
はじめに ~DVの克服体験談~
DVは人の人生の歯車が狂わせます。
DVは一般的に、配偶者からの暴力と解釈されていますが暴力のみならず、
精神的苦痛を与えることで精神障害に至らしめることも、立派なDVです。
またそれは暴行罪や傷害罪にあたる立派な犯罪行為です。
(参考:Wikipedia)
今までは社会的な認識の欠如もあり、近親者からの暴力に地方が介入することがとても稀でした。
だから、被害者が泣き寝入りすることが多かったです。
多くの被害者が女性です。
近年では、社会問題化が深刻化しており司法でも不法行為として扱われる事例が増えてきました。
それだけ近年、DVによる社会的損失が大きいということでしょう。
DVがいかにメンタルに影響及ぼすか?
またその心の傷を克服していく過程について、
ある女性の体験談をここに紹介します。
【ここから体験談:DVから心の病へ、、】
経緯:何だか強い不安に襲われるようになって…。
夫から暴力を受けるようになりました。きっかけは、さまざまなストレスです。
仕事がうまくいかず、お金もない。
そんな中、夫婦の関係はだんだんギスギスするようになったのです。
だんだんと夫の口からひどい言葉が出るようになり、私もそれに言い返すような日々が続き、最終的に夫から暴力を受けるようになったのです。
それでも子供がいましたので、夫婦関係を続けようと努力しましたが、ある日、夫は家を出ていきました。その瞬間は、正直ホッとした気持ちもありました。
これで暴力を振るわれずに済む…と。
夫から金銭的援助などまったくなかったのですが、私はフリーランスで仕事を自宅でしており、子供との生活リズムと合わせることもできるので「きっと何とかなる」と思ったのです。
実際、夫が出て行ってすぐは、のんびりと優雅に過ごすこともできました。子供と外食をしたり、遊園地に行ったりして、笑顔を取り戻しつつありました。
しかし、フリーランスの仕事というのは、決まった給料が毎月振り込まれるわけではありません。それまで順調だったのが、ある月ぱたりと依頼が来なくなってしまった時期がありました。
それでも貯金があるから「大丈夫」と頭では思っていたのですが、心はどうやらそうではなかったようです。
それは、ある夜のことでした。いつも通り、夜に子供とテレビを見ていたときです。
ふと言い知れぬ不安が、私を激しく襲ったのです。何と説明したらいいのか、恐ろしくて怖い。心臓がバクバクする…そんな感覚でした。
その日は無理やりお酒を飲んで眠ったのですが、その恐怖はあくる日もその次の日も襲ってきたのです。
病院へ:不安神経症と診断
不安はずっと続いているというわけでなく、波があり、発作のような感じで起きました。いきなり怖くて怖くて仕方がない…そんな風になるのです。
それでも、日々の生活を必死でこなしていたのですが、ある時、出先で耐えがたい不安に襲われたのです。
その際に、目の前に見えたのが「心療科クリニック」の看板でした。わらをもすがる思いで、そのクリニックの扉を開きました。
いきなりでしたので、健康保険証など持っていません。実費になるのを覚悟で、窓口で「みてもらえませんか」と話したのです。その時には、おそらく涙が出ていたと思います。
すると、窓口の方はやさしく待合室に通してくださり、すぐに診察してもらえることになりました。
男性の先生でしたが、私の話を丁寧に聞いてくださり、「不安神経症ですね」という診断を受けました。そしてお薬を処方してもらえることになりました。
その瞬間、少しほっとしたのを覚えています。薬をもらえば何とかなる…そう安心したのでしょう。
9000円近くの支払いをし、薬を受け取ったときにはすっかり元気になっていたと思います。
もらった薬を飲めば気持ちが一時的にスーッと楽になりましたが、クリニックに定期的に通っていても、不安な症状は相変わらずでした。
最初に発作が起きてから、1年ほど経過した頃でしょうか。
夫とのことをこのままにしておけないと思い、会いに行くことにしたのです。
さらに、実の親との関係も最悪になっていたので、思い切って引っ越そうと決意しました。
新しい土地で再出発しようと決意したのです。
ところが、夫と再会し、今度はモラハラ的な攻撃に会い、私の精神状態はさらにボロボロになってしまいました。
そこでかかったクリニックでは、不安神経症とうつ病という診断で薬を処方されました。
不安神経症の薬は発作が起きたらのむ頓服で、それを服用すると不安が和らぎました。
うつの薬は効果が出るまでに数か月かかるという話で、効き目に関してはよくわかりませんでした。
克服へ:見切りをつけて前に進む!
とにかく薬を毎日服用し、時々カウンセラーと話をするという日々を過ごしていたのですが、ある日ふと「こんな状態では嫌だ!」という想いが沸いてきたのです。
薬に頼るというのを辞めたい、辞めなければ…というのでしょうか。
何がきっかけだったかはよくわかりませんが、無理やり薬を飲むのをやめました。
クリニックには、「もう大丈夫だから」と嘘をつきました。
最初は怖くて不安を感じましたが、そうなると散歩をするようにしました。あとは、チューインガムとお酒です。
薬を飲むよりお酒…という、おそらくダメなパターンだと思いますが、当時の私にはそれしか道がなかったのです。そうやって、薬から足を洗うことができました。
夫とは結局別居状態が続きましたが、私の精神状態はゆっくり落ち着き、子供と幸せな毎日を過ごせるようになりました。
仕事は相変わらず不安定ではありましたが、その状態になれたというのでしょうか。
以前ほどパニックに陥ることはなくなったのです。
新しい取引先を開発したり、金銭面の計画を練るようにして、将来の不安を解決する方法を見つけることで、不安を前ほど感じにくくなったようです。
その後、お酒による失敗を幾度となく繰り返し、「これじゃダメだ」と再び決意。
今度は、お酒の量を減らすことに成功しました。あんなにお酒をたくさん飲んでいたのに、いったん決意すると意外と減らせるものだと驚きました。
今現在、不安を感じるということが、完全になくなっています。
薬を飲んでいたときには、「もうダメだ」と思うことがよくあったのですが、今は「何とかなる」と開き直れるようになっているのです。
状況だけ見ると、夫との関係は以前と同じように最悪なまま、仕事も不安定。貯金もないし、将来どうなるのかさっぱりわからない。
不安神経症が発症したときと、あまり変わってはいません。
むしろ、年齢を重ねた分、もっと不安になっても不思議ではありません。
しかし、何がどう変化したのか私には正直わからないですが、前のように恐怖にさいなまれなくなっているのです。これは、不安神経症を克服できたということでしょう。
振り返って:心の病は誰にでも起こりうること。
不安神経症を発生するまでの私は、心の病なんて言い訳だ…と正直思っていました。
しかし、実際に私がなってみて、自分ではどうにもならないものだということをよくわかりました。
克服しようとするのは大変ですが、ある日突然、意識に変化が起きるということがあります。
私はそうでした。
その流れに身を任せることで私は立ち直ることができました。
奇跡は起きる、希望はある…私はそう思います。
おわりに
DVによって苦しめられた経験から、
「自分の人生はもう幸せにはなれない。」
「このトラウマは一生乗り越えられない。」
この女性ももおそらく、そんな気持ちもあったと想像しますが、
時が経てば、ある日突然意識が変わることだってあるし、
人生を良い方向に向かわせる選択もできます。
トラウマによって苦しめられる人生を選ぶか?
はたまた、
そんな経験も乗り越えて前向きな人生を選ぶか?
それは本人自身が選択できる。
それを証明してくれた体験談でした。
今DVに苦しめられている人にとって、とても参考になるストーリーだったと思います。
情報を提供してくださった女性に感謝します。